前回の記事でオーフス観光について書いたが、その際訪れたオーフスの公共図書館であり、文化センターの役割も担うDokk1という施設に感動したので、改めてこの記事で書くことにした。
Dokk1という名前は、Dokk1のある場所が急工業用港であることに由来し、公募によって決まった。竣工は2015年の最新の図書館だ。
こちらがDokk1の外観だが、ぱっと見図書館には見えない洗練された建築だ。
まずはざっくりと内観の写真。
蔵書量は約400,000冊。
市内にはオーフス大学があるので、学生が多く、勉強するスペースやコンセント、Wi-Fiがものすごく充実している。
つまり、旅人にもめちゃめちゃ優しい場所だ。
ショッピングセンターやバスターミナルなど、人が集まる場所にトイレは完備されているのだが、小銭がないと入れない場合が多いが、ここはトイレも完全に無料で使えるのもありがたい。
ちなみにトイレ超綺麗。天井の色が変わる。
そして、前回の記事でオーフス大学に企業のオフィスが併設されていると書いたが、この図書館にも企業のオフィスがある。
奥のガラス張りの部分がオフィスだ。
僕がこの図書館で感動したのが、親子に優しい施設がたくさんあること。
それを少しずつ紹介していこう。
まずは、絵本と児童書の蔵書量が半端じゃない。
ここ以外にも、いくつか子ども向けの本のスペースが存在する。
そして、各国の絵本も数冊用意されている。
これ以外にもあと10ヶ国分くらいの絵本が常備されていて、ラインナップを見ると、デンマークに在住している人が多い国の絵本だということが分かる。
残念ながら日本の絵本はなかった。
ここは、右側の階段のようなところに親子が座り、親子向けのイベントができるスペース。
このガラス張りのスペースの中では、子ども達向けに制作などの教室が行われる。
ここで作られた子ども達の作品は、図書館内に飾られている。
これは、古本を子ども達がリメイクしたもの。めちゃくちゃかわいい。
最後のぼけちゃってる。
その他にも至る所に子ども達の作品が飾られている。
これは、おそらくもっと小さい子ども達が作った作品だろう。基本の形は同じだが、色や柄がひとつひとつ違うのが素敵。
子ども達が遊ぶスペースやおもちゃもバリエーション豊かに用意されている。
ここは、絵本スペースの隣でブロックや積み木が用意されている。
ここは様々な衣装が用意されていて、子ども達は自由に着替えてごっこ遊びを楽しむことが出来る。
このスペースは他の場所と区切られているので、子ども達が思いっきり遊ぶことが出来る。しかも、保育士が常駐しているので、親は少しの間子どもをここに預けて、このスペースの外にあるソファでくつろいで自分の時間を過ごすことも出来る。
このように、透明で中が見えるようになっているので、ソファで座りながら自分の子どもの様子を確認することも出来るので安心だ。
もっと小さい乳児には、別に遊ぶスペースが用意されている。
ここには、保育士は常駐していないが、すぐそばにソファがあり、ここも親は少し休みつつ、子ども達を安心して遊ばせることが出来る。
昼間に来ると、結構人がいたので、地域内の親同士の交流にも一役買ってそうな場所だ。
ベビーカーも泊める場所がパーキングになっている。
ここには、電子レンジや水道などある程度の設備が整っているので、離乳食やミルクをここで作って、子ども達に食べさせることが出来る。
これは子ども達に大人気の装置。
これはもともと普通の砂浜にあるような、さらさらした砂なのだが、この砂の形を変えることによって、上のプロジェクターが砂の高さを認知して、高さに合わせて色が変わる。低い所は青く染まり、海のようになる。溝を作れば川が作れる。自分の作った島が地図のようになる装置。
そして、この部屋では写真左上にある白くて四角い装置が3Dプリンターらしく、ここも専門の講師がついて、子ども達が3Dプリンターを使うことが出来る。
このように、大きな子ども向けにも、最新のテクノロジーを使った遊びやワークショップが用意されている。
それ以外では、このように大きなテレビがあって、子ども達がテレビを囲んでみることが出来たり、スタッフに許可をとれば、ここでプレイステーションやWiiなどのゲームでも遊べる。ここ以外にも、数カ所ゲームを出来るモニターが用意されていて、僕が見たときは、子ども達はウイニングイレブンを友達とやって盛り上がっていた。
ソフトも自由に借りれる上にバリエージョンも豊富だ。
レトロなゲーム機も1台だけだが置いてあった。
さらに、屋内だけでなく、Dokk1の周りにはプレイグラウンドが備わっていて、遊具も非常にユニークだ。
この滑り台もデザインがユニークで、結構な落差な上にジグザグで大人の僕がやっても楽しかった。
熊のふともも部分から内部に侵入し、上まで登る。
これは、下の部分がバネなので、デッキの上に乗ると不安定に揺れ、バランス感覚を鍛えることが出来る。
火山型の滑り台やクライミングがあるアスレチック。
これは大きな鳥のオブジェの背中にクライミングがついていて、登ると鳥の首に座れて、空を飛んでるような気分になれる。
図書館内にはカフェも併設されているので、お腹が空いた時も安心。まあ、高いけどね。
この図書館はさまざまな施設が備わっていることもすごいが、施設の利用はもちろん、ゲームやワークショップまですべて無料で使うことができる。
公共施設なので、これも高い税金のおかげだ。毎日たくさんの人がこの図書館を利用している。
しかし、問題点として、子ども達が多いので、勉強や本を読むことを目的にしている人にとっては、時々騒がしいと感じることもあるようだ。
もちろん、基本的に子ども達向けのスペースと大人向けスペースは分けられているのだが、どうしても興奮していまうと、走り回って遊んでしまう子ども達もいる。
なので、よく言えばアットホームでくつろげる図書館だが、一般的なしーんとした図書館のイメージとは違う雰囲気がここには流れている。
しかし、親子のことを考え充実した設備が整っているこの図書館は、世界でも最先端の図書館だろう。
是非、オーフスに寄った際は、世界最先端でありながら、独特な雰囲気が流れ、親子にも学生にも、そして、旅人にも優しいこの図書館Dokk1に訪れて欲しい。
それでは!!
前回の記事
https://ryugaku-gear.com/travel-all-over-the-world-97/
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筆者プロフィール
原田智広
1994年3月3日茨城県生まれ。関東学院大学人間環境学部卒業。高校時代に「俺、大学に入ったら辞めそうだな。」と、せめて興味のある子どもに関する大学に行こうと消去法で進学するが、想像以上に保育にはまってびっくりする。その後、自身の生い立ちや大学時代の1人旅の経験から、世界中老若男女問わず、誰でも保育園に遊びに来れる保育園×ゲストハウスを考案。大学4年時、その保育園とそれに基づく世界一周プランを延べ2000人以上の前でプレゼンし、保育ドリームプランプレゼンテーション共感大賞、TABIPPO世界一周コンテストDREAM最優秀賞受賞。現在は世界一周中。