旅人

デンマークの秘境に暮らすヒッピーの村で生活して垣間見えた、ヒッピーの生活とデンマークの高福祉制度の関係性〜旅する保育士のToyBlog〜

 

 

デンマークで先日出会ったカロライナに薦められたフロストアップという場所がある。
そこには、ヒッピー達が暮らしているコミュニティであり、キャンプ場があるらしい。

 

 

「ヒッピーって聞いたことあるけど、どんな人達だろう?」と、かなり曖昧だったので調べてみると、ヒッピーとはこんな人達らしい。

 

ヒッピー: Hippie)は、伝統制度などの既成の価値観に縛られた人間生活を否定することを信条とし、また、文明以前の自然で野生生活への回帰を提唱する人々の総称。

1960年代後半に、おもにアメリカ(発祥地はサンフランシスコヘイト・アシュベリー地区との説がある。ロス郊外のローレル・キャニオン英語版とする説もある[1])の若者の間で生まれたムーブメントで、のちに世界中に広まった。彼らの多くは、自然平和セックス自由を愛していると主張した。

出典:Wikipedia

 

 

デンマークは他の北欧諸国と同じく高負担高福祉で有名な先進国。
そんな先進国にこんな人々が本当に暮らしているのだろうか?

 

 

しかも、フロストアップのキャンプ場というところまでは分かったけど、カロライナに聞いても、イマイチピンポイントで場所が分からなかった。
だから、辿り着けるかも曖昧だったけど、とりあえずヒッチハイクで向かってみることに。

デンマークで自分からヒッチハイクするにはこれが初めて。

 

 

 

 

 
スウェーデンでは10分くらいで乗せてもらえたが、果たしてデンマークはどうだろう…

 

 

 

 

 

 

 

10分後…

 

 

 

 

 

 

 

ヒッチ成功。
いやー、北欧の人は本当優しい。

 

 

 

乗せてくれた彼も、ちょうどフロストアップに向かう途中らしい。

しかも、途中おもむろにパーキングに停まって、トランクからなにか取り出したと思ったらビール。
普通に自分も飲んでるし。笑

 

 

目的地に到着したっぽい。
けど、なにやら街中って感じじゃないぞ。。。

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よくよく聞いてみると、なんとここがヒッピー達の暮らすコミュニティらしい!!!

 

 

乗せてくれた人はここの住人ではないけど、ちょうどここに飲みに来たらしい。(てか本当車の運転大丈夫かよ。笑)
奇跡過ぎる。

 

 

ちなみに、フロストアップの街からここまで約5キロくらい離れているので、もし、違う人に乗せてもらって街に降ろされてたら絶対ここには辿りつけなかった。
(結局ここで、3日間過ごしたのだけど、街のスーパーまで徒歩で往復2時間半くらいかかった。)

 

 

デンマークには、首都コペンハーゲンにクリスチャニアという世界的に有名なヒッピーコミューンがある。
そこはデンマーク政府から独立した自治区で、独自のルールを持つ。

クリスチャニアの人々は、デンマーク政府が関わっていない彼ら独自のルールを持っており、そのルールによって、窃盗暴力行為、銃、刃物、防弾チョッキ、強い麻薬が禁止されている。この地区の中に、Pusher Street として知られている有名な通りがあるが、そこでは、2004年まではハシッシュ英語版スカンク英語版などの大麻が、常設屋台で公然と売られていた。なお、現在では、コカインアンフェタミンエクスタシーヘロイン等の強い麻薬は規則によって禁止されている。ただし、この規則が全員の了承を得られていないため、それらの商売が完全に無くなったわけではない。

出典:Wikipedia

 

そして、僕が訪れたフロストアップのこの場所も、コペンハーゲンにある有名なヒッピーコミューンであるクリスチャニアほど大きくはないものの、クリスチャニアと同じように独自のルールを持っている。
僕が聞いたのは、暴力禁止、盗品禁止、ハードドラック禁止の3つだけ。
自由と平和を愛する者達がここに集まり、独自の社会を作っている。
彼らはとても陽気で、「ウェルカム!」と僕を迎えてくれた。

 

 

入り口から歩いていくとまず目に入るのが、ここの住民が集まるBar。
お店や娯楽施設のようなものはここ以外一切ない。

 

 

ここは基本的に草原と森が広がっている。
森を切り拓いて出来た場所のようだ。
真ん中の一番小さいのが僕のテント。

 

 

人が通る最小限の場所だけ道が拓かれている。

 

 

 

このアスレチックも含め、子ども達が遊ぶ遊具類はお父さん達の手作りらしい。
このコミュニティには、子ども達もたくさんいる。

 

アスレチックの裏側。

 

ブランコも付いている。

 

 

トランポリン。

 

こんな感じで、小さな公園のような場所もある。

 

簡易的な砂場。
アスレチックの近くにもっと大きな本格的な砂場もある。

 

おそらく、おままごととかで使える子ども用の小屋。

 

上の小屋の中の様子。
僕のテントより快適そう。

 

テーブルとタイヤの椅子。

 

このブランコぐいぐい引っ張ってみたけど、かなり丈夫だった。

 

デンマークでは小学校の校庭とかでもよく見かける焚き火場。

 

写真撮ってたら猫が来た。

 

 

これら以外にも、ビーチバレーコートやバスケットゴール、サッカーが出来るくらいには広い芝生のコート、三輪車類の遊具もたくさんある。

 

 

僕がここで特に平和を感じたのが、まだおしゃぶりをしている1歳半〜2歳くらいの小さな子どもが1人で、上半身裸で遊んでいたり、下半身裸で遊んでいたこと。笑
多分北欧にある習慣で、日光に当てるために赤ちゃんをベビーカーに乗せて外に置いておく的な意味で服を着てないのかなと思うけど、庭で子どもが1人で遊んでいるのはびっくりした。庭と言ってもそれらしい柵もないし。
周りに親がいないから、心配になってずっと子どもの様子を見てたら、家の中からお母さんが出て来て、子どもの様子を確認してて安心したけど。
平和な環境への信頼と子どもへの信頼がなければ、こんな状況はあり得ないんじゃないかと思う。

 

 

 

 

そして、ここに来て一番に目を引くのが、色とりどりの彼らの住んでいる家だ。
中には全て自分の手作りという物もあるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハウルの動く城を彷彿とさせるような継ぎ接ぎの家もあれば、キャンピングカーをそのまま家として生活している人もいる。
また、使わなくなったトラックや電車を改造して家に作り替えている人も。
壁面の塗装も個性的で、約一週間デンマークを歩いて旅しているが、こんな家はここでしか見たことがない。

 

 

 

では、家の中はどうなっているのか。
アイスランド人の夫とノルウェー人の妻、3歳と、1歳半くらいの女の子のいる家族に許可ももらい、家に中を見せてもらった。

 

 

アイスランド人の夫は、20年程前に親と一緒にデンマークに引っ越し、その後自分はこのコミュニティに移って来たのだと言う。
そして、5年ほど前にここに来たノルウェー人の妻と、この場所で出会い結婚したそうだ。
娘は幼稚園に週3日で通っているらしい。
1歳半くらいの娘は、まだ常に親と一緒にいるが、家に入って来た僕を不審者だと思って吠えるくらい勇気のある心の持ち主。

 
この家は電車のように、1両目がリビング、2両目がキッチン、3両目が寝室と3つのスペースが全てが直列に繋がったような家だ。
もともとあった家を、自分たちの手で増改築したらしい。

 

この写真は僕がリビングスペースから撮った写真で、奥さんがいるところがキッチンスペース、その奥にあるのが寝室である。

 

上の写真から左を向くと、このようにリビングスペースのテレビや洗濯機。

 

右側には、テレビを正面にしてソファが置いてある。

 

 

そして、ここが奥さんが作業していたキッチンスペース。
コンロやオーブンも完備されている。

 

コンロをの正面にはシンク。
こちらも一般家庭と変わらず使いやすそう。

 

奥に進むと寝室。
この大きなベットで子ども達と一緒に寝ているらしい。

 

庭では鶏を飼っていたり、

 

野菜を作っていたりと、自分達で作れる物は自分たちで作っている。
家の中には、ホームメイドのワインなんかもあった。

 

 

しかし、ここで1つ疑問が浮かぶ。
僕が彼らに取材をしたのは、火曜日の昼間。
普通ならば仕事をしている時間帯。
ある程度の自給自足生活をしていて、幼稚園も他の国に比べたら安いデンマークだが、仕事をしてないで生活できるのだろうか?
まずは、奥さんに聞いてみた。

 

 

僕「今、何か仕事はしているの?」

 

妻「一応ミュージシャンもしているけど、今は大学でオンラインで小学校の先生になるための勉強をしているわ。」

 

 

旦那さんにも、同じく質問してみた。

 

 

僕「今、何か仕事はしているの?」

 

夫「僕もオンラインで小学校の先生になるための勉強をしているよ。」

 

僕「じゃあ一体収入はどうしているの?」

 

夫「大学に通えば、返済不要の奨学金が政府からもらえるからね。それで生活しているよ。」

 

 

デンマークは大学の学費が無料なだけでなく、大学に通えば月に5,000クローネ(約90,000円)支給されることは僕も知っていたが、まさかこんな形で生活しているとは。
また、デンマークは子ども手当ても手厚く、0〜2歳で、年間17,616クローネ(約310,000円)、3〜6歳で、年間13,944クローネ(約240,000円)支給される。
つまり、ざっと計算して、1ヶ月約225,000円の収入はあるということになる。
家賃もおそらく0か格安なので、自給自足で家族4人最低限の生活にはなるが、十分生活していける収入なのかもしれない。

 

 

子ども目線から言えば、大自然の中で常にお父さん、お母さんといれる環境は最高だろう。

 
しかし、「これじゃあ、貯金も出来ないし、将来的に子ども達が不幸になんじゃないの?」と思った人もいるかもしれない。

 

 

だが、小学校からの教育は無料、そして、先程述べた通り大学に行けば返済不要の奨学金ももらえ、医療費も無料。さらにいえば年金制度も充実している。
つまり、デンマークでは子どもに最低限施すべき類いの貯金が必要なく、彼らは、今を生きるためにお金を使うことが出来る。

 

 

そして、この家族で言えば、子ども達がある程度大きくなれば、親も大学で取った資格の小学校の先生で働くことも出来る。
こんな生き方が出来るデンマークが途端にうらやましくなった。

 

 

僕は、最初にヒッピーを調べた時、漠然と「貧しい暮らしをしている者というイメージがあった。
そして、デンマークは僕が9ヶ月しか期間がない中で、1ヶ月間を割いてもいいと思える程、僕の中では「先進国」というイメージが強かった。
両者を単純に見比べると一見相反するが、デンマークの充実した福祉制度があってこそ、彼らは自分の生きたいように生きることが出来るのだろう。

 

 

もちろん、僕が話しを聞いた家族のような生活形態をみんながしているわけではない。
普通に日中は働いている人もいる。

 

 

そして、みんながみんな先述したWikipediaのようなヒッピーが暮らしているわけでもない。
色んな人に話しを聞いていると、ヒッピーだからこの場所に来たというよりも、何度かここに訪れたことがあって、ここの自由で平和で自然豊かな環境に惹かれて移住してきた主に北欧諸国の人が多い。

 

 

ここにいる人はみんな髪もボサボサで、服も薄汚れていて、先進国の中でも洗練された北欧諸国において、遠目から見ると近寄りがたい見た目だが、話しかけてみるとみんな笑顔で僕の質問に答えてくれる。
そして、目を合わせて話して初めて、彼らの目の美しさに気づく。
「自分のことを騙そうとしているか、相手の目を見て判断しなさい。」なんて、僕が最近読んだ本に書いてあったけど、彼らの目の美しさに気づいた時、僕の緊張は一気にほぐれ、この人達は信頼出来ると直感で感じた。

 

ここは、自由と平和の空気で満ちあふれている。

 

 

僕はコペンハーゲンにあるクリスチャニアにも訪れようと思っている。
ヒッピーコミューンとして有名なのは、コペンハーゲンにあるクリスチャニアであり、規模もきっと大きいだろう。僕はまだ行ったことないので、確かなことは分からないけど、ネットで情報を見る限り、クリスチャニアは観光地化されている印象が強い。
なのでもし、森の中でゆったりと暮らすヒッピーに会いたければ、是非フロストアップにも足を運んで見て欲しい。

 

 

 

 

前回の記事

【スカンジナビア横断20日目】トラックで旅人に出会いながらヨーロッパ中を旅することを夢見る女性〜旅する保育士のToyBlog〜

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筆者プロフィール

原田智広

1994年3月3日茨城県生まれ。関東学院大学人間環境学部卒業。高校時代に「俺、大学に入ったら辞めそうだな。」と、せめて興味のある子どもに関する大学に行こうと消去法で進学するが、想像以上に保育にはまってびっくりする。その後、自身の生い立ちや大学時代の1人旅の経験から、世界中老若男女問わず、誰でも保育園に遊びに来れる保育園×ゲストハウスを考案。大学4年時、その保育園とそれに基づく世界一周プランを延べ2000人以上の前でプレゼンし、保育ドリームプランプレゼンテーション共感大賞、TABIPPO世界一周コンテストDREAM最優秀賞受賞。現在は世界一周中。

 

 


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