Tomohiro Harada

【保育士不足問題】あなたはどう考える?僕が保育業界に「規制緩和」ではなく「規制強化」必要だと考えるワケ

 

 

世界一周中のTomです。

 
一応僕は保育士です。
資格も持っていますし、今回の旅も保育士の仕事に活かすための世界一周をしています。

 

なので、日本の保育業界のニュースは大きな関心事です。
最近は、待機児童問題で保育業界が大注目ですね。

 

 
そして、それに伴い、「待機児童問題」の原因の1つでもある「保育士不足」を解消するために、以下のような規制緩和がされています。

 
•保育士国家資格試験の年2回の実施。
•延長保育において、職員の3分の1以上が幼稚園教諭または保育士資格を持っていれば、その他の職員は無資格でも保育可能に。
•幼稚園教諭免許保有者は3〜5歳、小学校教諭免許保有者は5歳の保育が可能に。

 

(その他にもありますが、今回は書きたい内容に関連する規制緩和を主に取り上げました。より詳しい情報は下記の厚生労働省の資料をご覧下さい。)
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg4/kenko/160414/item2.pdf

 

 

これらの規制緩和によって保育者を増やし、待機児童解消につなげるというのが政府の考えのようです。
しかし、これらはその場しのぎの対策であって、後々また新たな問題が発生すると危険性を孕んでいます。

 
例えば、この待機児童問題も経済不況から女性の社会進出を推進したはいいが、その結果生じる保育需要の拡大をカバーする有効な対策をうっていなかったがために生じている問題です。

 

先述の規制緩和により、保育士の質の低下に伴う保育の質の低下や、親の育児力の低下など様々な要因によって、

 
•保育園内の事故率の増加
•保育園内の性犯罪の増加
•ニート、引きこもりの増加
•青少年犯罪率の増加
•自殺率の増加

 

など、ぱっと思い浮かぶだけでこのようなデメリットが考えられます。

 

強いてメリットをあげるとすれば、親が子どもを保育園に任せて働けるということでしょうか?

 

こう見ると、待機児童問題を規制緩和で解決することは、本当に効果的なのでしょうか?
保育需要や保育ニーズという言葉にも表れているように、最近では親のニーズが重視されていますが、本当にそれでいいのでしょうか?

 

また、このような後手にまわった対策ばかりに投資をしても、そこに将来的なリターンは少ないと思います。
なぜなら、先述の規制緩和によるデメリットは、全て国にとっては負担でしかありません。
その負担がさらに新たな問題を生み、またそこにその場しのぎの対策をとっていたのでは際限がありません。

 

そこで、僕は長期的に考えて今すべきことは、「規制緩和」ではなく「規制強化」を考えることではないかと思うのです。
何を「規制強化」し、どんなメリットが考えられるのか、僕のアイデアを書いていきます。

 

 

1、どんな規制強化が必要か?
上記に書いたような規制緩和は、つまりは保育業界への門戸を広くすることで、より多くの人が簡単にその門をくぐるやすくすることが出来るようにするためのものです。
しかし、僕の考えは反対で、より保育業界への門戸を狭くすればどうかと思うのです。

 
例えば、
•保育士国家資格試験の難易度をさらに高める。
•保育士養成校の強化。
(評価制度の強化、授業の高度化、卒業時に国家試験受験の必須化など。)

•現場研修の期間、内容の強化。
などです。

 

 

1.1 保育士国家試験の強化

実は現在も、保育士の国家試験の合格率は約2割と低く簡単な試験ではありません。
そして、この数値をだして、よく保育士の国家資格試験は難関だと聞くことがあります。
しかしながら、この数字だけで難関と判断していいのでしょうか?

 

一般的に難関のイメージがある、医師になるための医師国家試験の合格率は約9割です。

 

この2つの合格率を比べて、
「なーんだ。保育士になるより、医者になる方が簡単なんだ。」
こう思う人はほとんどいませんね。

 

そもそも、医師国家試験を受けるためには偏差値70クラスの秀才が6年間医学部で勉強してからでないと受けることが出来ません。

 

保育士の国家試験はそうではありませんよね。
養成校に通っていない人、別の勉強や仕事をしていた人が、参考書なり通信講座を使って勉強して受験する人がほとんどだと思います。

 

この受験者の背景を考えると、必ずしも今の保育士の国家資格試験は難関ではなく、より専門性の高い試験内容にしてもいいのでは?と思います。

 

 

1.2 保育士養成校の強化
僕は4年制大学の保育士養成校に通っていたのですが、僕の感じた限り保育士養成校で資格を取るのは決して難しいものではありません。
専門学校や短大は通っていないので詳しくわかりませんが、期間が短い分4年制大学より時間的余裕はないかもしれません。
しかし、国家資格なので養成校ごとでそこまで大差はないでしょう。

 

この保育士養成校も学部の偏差値を高めたり、より高度な授業内容にすることが必要だと考えています。

 
個人的には、従来の授業の高度化に加え、コンピュータリテラシー、語学、心理学、リーダーシップ、プレゼン能力が身につけられる環境があれば良いなと思っています。

 

 

1,3 現場研修の期間、内容の強化

現在でも養成校から保育士資格を取る場合は実習が必要です。
しかしながら、保育士国家試験を通して保育士資格を取る場合は必ずしも必要ではありません。
人間の非常なデリケートな時期に関わる保育士が、現場経験なしに保育士になれる仕組みには疑問を抱きます。

 
また、養成校から保育士になる場合も、卒業後現場研修に1年間もしくはそれ以上費やして、0,1,2,3,4,5歳児すべてのクラスをその時期に経験することが出来るようにしてもいいと思います。
これを経て、保育士になれる仕組みにします。

 
これを経て晴れて保育士として現場に入る場合、例え何歳児クラスであろうと、自分のクラスの子ども達をより幅広い視野で考察することが可能になると思います。
養成校や独学で乳幼児期について専門知識を学ぶのは当たり前ですが、そこにさらに体感による学び強化します。

 

 

2,規制強化によって得られるメリット

さて、このような規制強化をして一体どんなメリットがあるのでしょうか?
僕は以下のようなメリットがあると思います。

 

•質の高い保育士の増加
•保育の質の向上による諸問題の減少
•保育士の社会的地位の向上

 

メリットについてそれぞれ説明していきます。

 

2、1 質の高い保育士の増加

これは、容易に想像のつくメリットだと思います。
規制強化により、厳しく狭い門をくぐり抜けた高い専門性を身につけた保育士が多くなります。
また、保育士全体の質の均質化が期待出来ると思います。

 
保育士はリーダーであるべきです。
クラスの親が「この先生なら間違いない」「この先生の保育についていこう」と思えるくらいのリーダーシップや説得力のあるプレゼン能力、コミュニケーション能力を身につけるといいと思うのです。
専門知識とそれを伝える力の両輪が保育士には必要だと思います。

 
子どもは親だけで育てているわけではないし、ましてや親とのコミュニケーションもなしに保育士が独断で育てていくものではないのです。
規制強化によって、専門知識を当たり前のように持って、さらにそれを活かし、伝え、根拠をもった保育を地域に波及させることが出来る保育士が増加することが期待出来ます。

 

 

2.2 保育の質の向上による子ども達を取り巻く諸問題の減少

保育士の質が上がれば、保育自体の質も上がります。
さらにその価値観や適切な情報が親に伝わっていけば、親の育児力が身に付きます。
親だって初めは育児の初心者です。子どもを保育所だけに任せていては、育児力は身に付きません。

 
以前は、おじいちゃん、おばあちゃん、親戚、近所のおばちゃんなどが経験を伝えてくれていたかもしれません。
しかし、最近は特に都市部においてそのような繋がりも薄くなっています。
さらに、そうして受け継がれていった定説や常識とされている育児には、科学的に悪影響とされているものがあるのも事実です。
専門性の高い保育士が適切なアドバイスをしたり、コミュニケーションを取ることにより、親の育児力が上がり、それによって子ども達を取り巻く諸問題の減少にも繋がると考えます。

 

 

例えば、虐待、青少年の犯罪、自殺、ニート、引きこもりの減少にもつながることが期待出来ます。

 

原因は様々でしょうが、保育の視点から考えてみると、乳幼児期からの適切な大人とのコミュニケーションの欠如による、自己肯定感の欠如、社会への信頼の欠如、コミュニケーション能力の未発達などが考えられます。
なので、先述のようなより専門性の高い保育士が増えることによって、保育士や親が子どもと適切なコミュニケーションをとれることが期待できるので、これらの要因を未然に防ぐ可能性が高まります。

 

 

次に、最近特に問題になっているのは、保育園内での保育士から子どもへの性犯罪ではないでしょうか?

 

 

この問題も門戸を狭くすることによって、減少出来ると思います。
なぜなら現在の保育業界は、子ども好きならだれでも資格を持って現場に入れるような状態です。
だから、「子どもが好きです!!(性的に)」という人でも、どうぞどうぞウェルカムなのです。

 
保育士は子どもが好きなのは結構ですが(性的は論外)、果たしてそこに問題意識をもっているのかどうか?
子ども達を取り巻く問題を、少しでも自分が解決してやりたいと思っているかどうか?

 

 

そんな志高い者でしか通ることの出来ない門にしてしまえば、邪な気持ちを持つ人間を業界に入れるのを防ぐことにも繋がります。

 

 

このように、規制強化もしくは、それによる保育士の質の向上によって防げる問題は多いのです。

 

 

2,3 保育士の社会的地位の向上

保育士不足の原因として現在騒がれているのが、保育士の低賃金問題です。
多くの保育士の声と、保育士不足の緊急性に伴って若干賃上げの動きもあるようですが、微々たるものです。
給料上げてくれといって上げてくれるならそれに越したことはないのですが、僕はただ「給料あげてくれ」「給料低過ぎ」と叫ぶやり方には違和感を覚えます。

 

そこで、規制強化をして、保育士の社会的地位を高めることによって、もっと給料をあげるべき仕事だと周囲に認知させることが重要だと思うのです。

 

保育士当事者からすると、当然もっと給料が高くあるべき仕事だと感じている人がほとんどだと思いますが、テレビなどを見ていると、それは一般論として浸透しておらず、現場を経験している人だからこそ感じるものです。

 

よく保育士低賃金問題のときに聞くのが、「保育は子守りじゃない。」「保育士は子どもと遊んでいるだけではない。」というセリフ。
もちろん僕もその通りだと思います。
仕事内容に見合ったより高い給料にするべきだと思います。

 

でもそれは保育を学んだからこそ理解できるセリフではないでしょうか?
そして、そのセリフを言う根底にあるのは、自身も初めは子守りのような、子どもと遊んでるだけの仕事という認識だったのではないでしょうか?

 
実際僕は、大学に入る前はほとんどそれに似たようなイメージを持っていました。
しかし、大学で専門的な知識を学び始め、現場に入るようになってからその認識は180度変わりました。

 

つまり、そのセリフだけでごり押ししても、一般の人にはなかなか理解してもらえないということを理解するべきです。
一般の人が現場を知らないのは当たり前なのですから。

 

なので、規制強化によって保育士になる過程の難関化と、保育の専門性を伝える力を持つ保育士の増加によって周囲の認識を変えるという方法が有効だと思います。

 

日本は学歴社会の文化が根深いので、難関化にすることによって保育士という仕事のブランドを高めます。
そして、伝える力を持つ保育士が積極的に専門性を発信し、各地域レベルで波及させていくことによって、保育士の仕事は低賃金には見合わない専門的な仕事だというのを一般論にしていくのです。
それを継続していくことで、保育士の社会的地位の向上、そして低賃金問題の解消に繋がると思います。

 

 

 

3、まとめ
今の保育業界は、栓の空いたままのお風呂のようなものだと思います。
保育士の離職を止められず、規制緩和で無資格者を保育業界に入れることは、栓からお湯が流れ出して満たすことが出来ないから、大人達が色々考えた末に、なりふり構わず他の蛇口から、冷たい水でもいいからとりあえず見た目だけ満たそうとしているだけです。

 

ですが、そうして大人がなりふり構わず満たしたお風呂に入るのは子ども達なのです。

 

当然ながら、そんな冷たい水で満たしたお風呂に入れば風邪を引くように、規制緩和で形だけ繕った保育園に子どもを入れたところで、子ども達に問題が生じるのです。
子ども達を苦しめることになるのです。

 
命を落とす子ども達が増えたとしても、全くおかしくありません。
それくらいのリスクがあるのです。

 

だから、時間はかかるかもしれませんが、今こそ子ども達のことを最善に考えた対策をとるべきなのです。

 

時間はかかっても、しっかり栓を閉めて、子ども達の体の芯までポッカポカに暖めるお風呂を僕らは用意するべきなのです。

 

僕の今回のアイデアでは、待機児童問題解決への即効性はないかもしれません。
ですが、冒頭で述べたように後手にまわってばかりでは、いつまでも根本的解決にはなりません。

 

しかし、今まさに保育園に入れず苦しんでいる親子がいるのも事実です。
即効性を求めるのであれば、この規制強化を整えるとともに、企業主導型保育所や小規模保育所を作りまくるのをやめて、そこに使っている補助金で、子どもが3歳になるまで各家庭を支援した方がいいと思います。

 

待機児童問題が取り上げられるようになってから、保育園関連の悪いニュースを耳にする機会も多くなったと思います。
ニュースになるのはほんの氷山の一角で、もしかするとあなたの身近にも劣悪な保育環境が蔓延っているかもしれません。
あなたの身近で子ども達は苦しんでいるのかもしれません。

 

でも、子ども達は「苦しい」と声を上げることはできません。
だから僕らは真っ先に子どもの最善の利益を考えなきゃいけないのです。

 

 

4,最後に

今回、「規制強化で保育士の質を上げた方が良い。」ということを偉そうに書きました。
僕自身、まだまだ未熟じゅくじゅくな保育士なのに書いちゃいました。
ブログを書きながら、本当に恐縮な思いでいっぱいでした。

 
でも、僕が今まで出会ってきた保育者は、「一生勉強しても追いつけないんじゃないか。」って思ってしまうような尊敬できる保育者がたくさんいるのです。
だからこそ、「こんなすごい人達が日本中の保育園にいたらどうなるだろう。」と考えたことがきっかけで、もっと厳しくして、保育士の質をあげたらどうかと思いました。

 

 

今後も、世界一周や海外の保育事情についてはもちろん、それを踏まえて思ったことはどんどん発信していきます。

 

 

それでは、旅の続きに戻ります。

 

 

 

 

 

 

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今日も最後までブログを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます!!!!

 

 

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